William Morris

• デザイン：ウィリアム・モリス
• 1882年
• 木版、色刷り、インディゴ抜染、木綿
• 製作社：モリス商会

本作は、モリスの娘たちが愛読していたJ・C・ハリス（Joel Chandler Harris, 1848- 1908）による『リーマスおじさん（Uncle Remus）』の物語シリーズに登場する「ブレア・ラビット」にちなんで名付けられました。

1881年に、染色に適した水質をもつウォンドル川が流れるマートン・アビーに工房を開設したモリスは、インディゴ抜染の研究に取り組みます。 合成染料が急速に普及し、天然染料が衰退の一途をたどっていたものの、インディゴによる深い青色は当時一般的だったプルシャン・ブルーという合成染料では得がたいものでした。

この技法の習得に心血を注いだモリスは、1882年12月に娘のジェニー（Jane Alice Morris, 1861-1935）に宛てた手紙の中で、苦心の末に本作の制作が成功したことを書き綴っています。